酔ひどれ人生

酒の館−酒三昧−/酔ひどれ人生
武勇伝其の一
くじ引き
武勇伝其の二
心の痛み
武勇伝其の三
酔ひどれ
武勇伝其の四
スナック・ミスティー
武勇伝其の五
I Love You、But So Long・・・
武勇伝其の六
若き日
武勇伝其の七
なみだ酒
武勇伝其の八
嫌いな奴を潰す法




武勇伝其の一 くじ引き

 もうかなり前になるんだけど・・・
 当時の行き付けの店で、ある日”テキーラを1杯飲むたびに、くじ引き一回”というのをやっていた。
 賞品はピンキリあったけど、僕にとってはTシャツが魅力。
 このあたりで”飲み方”を確認すべきだったのだけど、何故か”ストレート”で飲まなければ
ならないと勘違い。

 ”飲む”、”引く”、”ハズレル”・・・この繰り返しを計10回。つまり僕はテキーラを
ストレートで10杯飲んだわけだ。
 10回引いても当たらないし、”そろそろ”(かなり前から)酔っ払ってきたので、その日は
あきらめて帰ることにした。

 しかし、”テキーラストレート10杯”の威力は強烈で、自分でもわかる。”真っ直ぐ歩いてない!”
”これがウワサの"千鳥足"、"銀は千鳥に使え"”を実感した夜だった。(笑)
 さて家に着いた。問題はこのあとで・・・(笑)僕は風呂場のガラスに、ちょっと手をついただけ
だと思ったのだが、その瞬間”ガチャーン”とガラスが割れてしまった。
”あれー、何で割れるんだよー”。
 酔っ払いは脳天気にもそう思っただけだったが、これは実に危険なことで、もしその時ガラスの破片で
どこか切っていたらと思うとゾットする。酔っていて気がまわらないし、血は止まらないだろう。
 冗談抜きで、出血多量で死亡、なんてことになりかねない。調子に乗るのもいい加減にしろ、とあとで
真剣に思った。

 さて、イェローページなどでは、24時間いつでも来てくれる(カギの修理など)サービスがあるが、
あいにく”ガラス”はそうではない。湯舟の温度がどんなに高くても・・・寒いんだよね、ガラスがない
と。(爆)
 ところで”Tシャツの行方”ですが、性懲りもなく後日またその店にでかけ、今度はおとなしく”ソーダ
割り”で挑戦。
 ついに当たりをひくことなく、くじは終了となった。
 ”こんなに飲んでくれたんだから・・・”(飲んだ量だけなら、任してくれ!)
と、マスターのお情けで”展示品”をいただくことが出来た。マスター、ありがとう!
 それにしても・・・高いTシャツだった。(飲み代+ガラス代)買った方が安かったかも(爆)
 ・・・もし賞品が”○○さんとの1日デート”だったら・・・テキーラ10杯だろうが20杯だろうが、
家中のガラスを割ろうが、またやるかもしれない。(爆)

武勇伝其の二  心の痛み

 まだ僕は若かった。いや、子供だったかも知れない。他人の痛みに対して、どう接していいか、
わからなかった。
 以前勤めていた会社でのこと。”彼女”は僕より年上で、会社のマドンナ的存在。
 数ヶ月前に婚約を発表し、幸せいっぱい・・・のはずだった。確かに婚約発表から数ヶ月
経っているのに、式の日取りとか全然発表がないから、おかしいなとは思っていた。
 その日、僕と彼女は残業していた。ちょうど二人とも仕事のキリがついて、帰ろうという
話になった。
 ”ねえ、軽く飲みに行こうよ”。
 若い頃も今も、こういう話は元来キライではない。まして、おねーさまからのお誘いである。
 okの一手である。この時点で僕は、”しょうがねーな、ノロケ話でも聞いてやるか・・・”
と思っていた。
 さりげない、とりとめのない話をずっとしていた。やがて・・・
 ”あたしねー、破談になっちゃったんだ。”
 男性のご両親に反対されたとのこと。そして”彼”は両親を選んだ。
 思いもかけぬ告白を聞いて、僕はパニックに陥った。何とこたえていいのか、わからなかった。
 彼女の”告白”を重荷に感じた・・・他人の痛みを受けとめられるほど、僕はまだ大人ではなかった。
 ”両親のことを大切に思うのはわかるけど、結婚ってお互いの気持ちが一番大切なんでしょう?
親に反対されたから結婚やめますなんて、おかしいよ!言っちゃ悪いけど、ソイツのあなたに対する
気持ちって、その程度だったんじゃない?あなたなら他にもっとふさわしい男性が現れるよ!”
 今なら、このぐらいのことは言えそうである。
 気がつくと彼女は・・・泣いていた・・・
 お互い、帰りは無言だった。彼女と別れ、一人になって飲みなおした。彼女の”痛み”と”涙”、
そして何もしてあげられなかった自分の”無力”を改めて思い知った。
 その日のビールは苦かった・・・

武勇伝其の三  酔ひどれ

 僕達は言ってみれば”友達の友達”。二人だけで飲むのは初めてだった。
 話しをしてみれば、お互い”フラレタもの同士”。たちまち意気投合してしまった。
 彼女もお酒が好きだった。お互い”振った相手”を忘れたかったのかもしれない。
 店を出ると僕は何故か彼女に、”ウチに泊まっていけ”と何度も繰り返していた。
 彼女も酔っていたのか、(あるいは僕は無害だと思ったのか・・・爆)僕の家に来た。

※作者注 信じる・信じないは自由だけど、その時僕は別に下心があったわけではなくて、(笑)
※”こんな夜おそく、女性を一人で帰してはキケンだ”と思ったのです。(笑)
※僕の家に泊まった方が、よっぽどキケンかもしれないけど、(爆)
※酔っていて、そこまで考えがまわりませんでした。(ド爆)

 ”神に誓って”言うけど、絶対”やってない”からな!(笑)
 言い切れます!
 何故なら・・・先に寝ちまったから・・・(~~;
 目が覚めた時、彼女は・・・いなかった。
 次ぎの日、図々しく電話をする。東京ドームの巨人vs西武のオープン戦に誘う。
 OK、だった・・・。
 でも当日、会ったとき、ちょっと言われた・・・。
 ゴメン、と謝る。(何を?あまりに失礼だったから?”何もしなかった”から?(笑)
 彼女とは、このあとしばらく付き合うことになりました。
 でも・・・この時の”強引さ”というか、”無茶苦茶さ”というか、その10分の1ぐらい
でもいいから、素面のときに発揮できればなー・・・(笑)
 今では絶対できないですね。

武勇伝其の四  スナック・ミスティー

 自宅への帰り道、橘通の片隅にかつて通った、スナック・ミスティーがあった。
 カウンターだけの店、それも10人も入れば満員になりそうなスペースだが、その”10人”が
なかなかうまらない。

 この店に通うようになったのは、ごく単純な理由で、仕事の忙しかった僕が帰ってくる頃には、
通常のお店はもう営業を終えているからだ。
 おあつらいむきに”帰り道”にあるし・・・(笑)

 とはいうものの、”スナック”なんぞに入ったことがなかった僕。率直に言って腹が減っていた。
 ”何になさいますか”ママが尋ねる。
 メニューに”そーめん”がのっていたとこを見ると、夏だったのかもしれない。
 ”えーと、そーめんと・・・あ、俺、目玉焼きが食いたいな・・・目玉焼きできる?”
 どこの世界にスナックで目玉焼きを注文するバカがいるだろうか?(はーい!ここにいまーす(~_~;)
(しかも”俺、半熟キライだから、しっかり焼いて下さい”などと言いたい放題) 
 しかもどこの世界にそんなバカな客の注文に応じてくれる(爆)店があるだろうか・・・

 以来、その店に行けば”○○と目玉焼き”。
 ”しょうがないわねー・・・”とママは笑いながら目玉焼きを作ってくれる。
 僕は苦しんでいた。初めて仕事で独り立ちをさせられたのだが、進捗は思うにまかせなかった。
 ついには結局、納期を半年遅らせてしまうことになるのだけれど、毎日客先で針のムシロに座って
いるような気持ちだった。
 そんな毎日で、”ミスティ”にいる時だけ、ママと話をしているときだけが、(今風に言えば)
”癒されている”感じだった。
(ただ、今あらためて思えば、やはりほんの少しの時間だけでも、仕事のことを忘れたかったんだろうな)
 今は橘通一帯全て、そういう店はなくなっている。
 できることならもう一度、ミスティのママに会いたいものだ・・・

武勇伝其の五  I Love You、But So Long・・・

 僕達はNZのパブのカウンターで飲んでいた。僕の隣の女の子は1度は僕を振った子だ。
 ”彼女はもう忘れなくちゃいけない女の子・・・”自分に言い聞かせるのが、ずいぶん辛かった。
 彼女は英語が達者で、いつか外国で暮らすことを夢見ていた。4月26日、彼女がNZに旅立つ日が
やってきた。”友達として”僕は空港に見送りに行った。ゲートをくぐり、手を振る彼女の姿が、段々と小さく
なっていく・・・やがて見えなくなった・・・
 何回か手紙を書いた。AIR MAILって初めて書いた。(笑)そのうち、声がききたくて、たまらなく
なった。僕は未練な男に違いない。
 ”決心”と”ためらい”を何度も繰り返し、日々は過ぎて行く。
 ある日、”何度目かの決心”をした後、夕方5時、僕は公衆電話の受話器を取った。日本とNZの時差は3時間。
現地は今、午後8時のはず。電話のコール音が、僕の緊張に拍車をかける。
 ”Hello、this is ○○ speaking.”
 電話に出たのは、男の子らしき声。ガーン!そうだ、彼女ホームステイしてるんだった。必ずしも彼女が出るとは
限らないじゃん。
 ”Hello、My name is XX.I’m △△’s friend in Japan.
 Is she here?”と言ったら
 ”Ok、wait a moment.”おお、俺の英語もたいしたもんだ!と自画自賛(爆)
 ”もしもし”って言ったか、”Hello”って言ったか、もう忘れてしまった。
 彼女の声を聞いた時、やはり感じるものがあったのか。
 ”あのさー、俺、そっちに行きたいんだけどさー・・・”言うつもりもなかった言葉が、口をついた。
 結局11月の3連休に行くことになった。ホテルは彼女が予約してくれることになった。
 もう自分を抑えきれなかった。彼女に会いたかった。会って言いたかった。
 ”君が好きだから、ここまで来たんだ”って・・・
 何度か電話で話しをするうち、彼女がホームステイ先でうまくいってないことを知る。
 いても立ってもいられなかった。早く彼女に会って励ましてあげたかった。
 ついに当日。日本−NZは10時間。疲れたけど、そんなものフッ飛ばす久々の彼女の笑顔!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 明日はいよいよ帰国。忙しい彼女と、ようやく二人で落ち着いて飲みに行くことができた。
 ”あ、あのさー・・・”(言え!ほら言うんだこのタコ!)
 ”ん?”
 ”意外と寒いねー”(ドテッ!お前、一体何しに日本からわざわざ来たんだよー)

※作者注 日本とNZはちょうど地球の反対側。季節も逆。11月だからNZは初夏かなー・・・
※何て予想してたんだけど・・・あ、どうでもいいですね(~~;

 そしてついに・・・まあ、一応言うことは言いました。(笑)セリフは割愛します。(爆)
 でも・・・トレンディードラマのようにはいかないもんだね(苦笑)。一人の女性に2度もフラレタ
のは僕ぐらいでしょう。(苦笑)まあ、こっちで好きな人ができたってことで・・・
 帰りの飛行機の中で、見ず知らずの初老の女性の方と隣り合わせになった。その方がまあ、旅は道連れと
言うことで、いろいろ話しかけてこられるので、今回の旅のことをお話した。
 ”その女性は、あなたに一途に想ってもらって幸せね。でも、あなたもそんなに一途になれるかたがいて
幸せなのよ。”
 そうかなー、そうなのかなー?結局、報われなかったんだけど・・・(苦笑)でも自分の取った行動には
後悔していない。あそこまでやってよかったと思っている。うーん、まあ、一人の女性を真剣に好きになった
ってことで・・・ま、いっかー(爆)(だから”お前の恋愛、高校生並み”とか言われるんだよな(爆)

武勇伝其の六  若き日

 4月・5月・・・”歓迎会”が多いこの季節は、飲み方を知らない若き大トラが、夜な夜な出没するシーズンである。
 ご多分にもれず、僕もずいぶん失敗をした。

 僕が新人の頃、一緒に”お供”させていただいた先輩が”ナンパ”した。向こうも4人、こっちも4人。
何事も初体験は失敗がともなうもの。

”強いんですね。”

隣に座ってくれたオネーサンのこの一言で、僕は大暴走。
 作ってもらった水割り(フン、今ならロックさ)をグイグイ。みなさん、もう結果はわかったでしょう?(笑)
予想通り、バタンキュー(爆)
 一緒に飲んだ先輩は、すごく優しい人で、僕は仕事でおこられた事がなかったが、次の日にこっぴどく叱られた。
 ”バカヤロー、女の子より先につぶれてどおすんだー!”
先輩思いの僕は、この言葉を今もかみしめている。(苦笑)

 初めての二日酔いは入社二年目。
 僕はこの時初めて”記憶が飛ぶ”という経験をした。
”何故、右目の上に傷があるのか?”
 ガンガンする頭で、懸命に思い出そうとするが、どう考えても記憶にない。
 ”・・・確か、トイレでゲロゲロして(食事中の皆さんm(__)m)・・・自力で帰れなくて課長におぶってもらって(とんでもない部下である(~_~;)・・・”
 やがて”その”課長が、
 ”お前昨日椅子から落っこちたんだけど、大丈夫か?”
 なるほど、そうだったのか。謎はとけたぜぇ。でも全然覚えてないや・・・(-_-;)
 その日は客先と打ち合わせ。(昼食も食べたくなかった)ひたすら静かにしてました。(~_~;)

 入社して3年たってもまだ自分の限界がわかってない。
 その日は桜木町で飲んでましたが、またまた帰れなくなるほどの”全力投球”(オイオイ)
 結局先輩に送ってもらって、ビジネスホテルに泊まることになった。
 しかしビジネスホテルというのは、泥酔した客は断ることがある。
 ”お前、頼むからチェックインの時だけは、シャキッとしてくれよ”と先輩に言われる。
 何とか無事にチェックインできたものの、自力で電話もかけられない。(-_-メ)
 先輩に自宅に電話してもらいました。(とんでもない後輩である)

 当方図々しく成長したおかげで?、さすがに今はこんなことはなくなった。
 でも道端でへたり込む姿をみるたび、”お、やってるな”と(苦笑)、若き日の自分の姿にダブらせてみたりしている。

武勇伝其の七  なみだ酒

 今年(2000年)、本当につらい1年だった。俺達を残して、どうしてお前は逝ってしまったんだ・・・

 よく飲みに行ったな。俺の行き付けの店には全部連れていった。
”最近ご無沙汰ですね。また飲みに連れて行って下さい。”
そう言っていたのは、わずか1ヶ月前のことだったのに・・・

 しばらくはお前のことを思い出すと、涙が止まらなかった。人前で突然涙がでそうになったり、
道を歩いていて突然泣けそうになったり・・・
 両親のいない俺にとって、もう悲しいことなんてないと思っていた。たとえ肉親でなくても
親しい人間の死はダメージが大きいことを、お前は教えてくれた。

 ”あの世”とやらで1番うまい店をさがしておけ!
やがては俺も行くのだから。その時こころゆくまで飲もう!

 でも・・・もう一度、お前と飲みたかったぞ!

武勇伝其の八  嫌いな奴を潰す法

 どこの世界にもいるもんだ。

 コイツとは、

”顔は合うけど、気は合わない”

(某永世棋聖風に・・・爆)って奴が。

でも皆で飲みに行く時、そういう奴も誘わなくちゃいけない。
コイツ酔い潰したい・・・そんな時、どうする?

 ”まあまあ、今日はグッと行こうぜ!まあまあ・・・”
なーんてやっても、やっこさん絶対警戒してる

 こういう時はね、女性にまかせるの。
 グループの中に女性がいたら、その子をコッチの味方にする。
 女の子のいるお店だったら、その子に言い含める

男の悲しいサガで?、男の”まあまあ”は断れても、女の”どうぞ”は断れない。(爆)


よい子は真似をしないでネ